相続・土地有効活用について相談したい    Consult

相続と土地の有効利用について紹介します

ここでは、相続と土地の有効利用について、よくあるご質問にお答えします。
詳細に関しては、お近くの税理士・司法書士にご相談下さい。

平成20年1月時点での法律に基づいております。
当社は、本稿によって提供する情報の正確性、完全性などを保証するものではありません。
当該情報に起因して利用者および第三者に損害が生じたとしても、
当社は一切責任を負わないものとします。

相続手続きのスケジュール

相続人の範囲と遺産分割の方法

相続税の計算のあらまし

相続対策について

不動産の評価減について

賃貸管理運営方式について

相続手続きのスケジュール

相続手続きのスケジュールを教えて下さい。

被相続人が死亡したことを知った日から相続手続きが始まります。
そのスケジュールは次のようになります。

延納や物納を希望する場合の期限はいつですか。

相続税の納付は金銭による一括納付が原則ですが、適用条件を満たせば延納も認められ
ます。
その場合は、相続税の申告期限(10ヶ月以内)までに延納申請書を提出して、税務署長の
許可を受ける必要があります。
金銭一括納付や延納も難しい場合、場合によっては物納が認められます。
この場合も、延納と同じく、相続税の申告期限までに物納申請書を提出し、税務署長の許可
を受ける必要があります。

申告と納付期限の10ヶ月を過ぎた場合、どうなりますか。

被相続人の死亡を知った日の翌日から10ヶ月を過ぎても、金銭での一括納付をせず、
また、延納や物納の手続きを行なわなかった場合は、延滞税を取られることになります。
但し、課税価格が基礎控除額以下の場合は、申告の必要はありません。

亡くなった父名義の不動産がありますが、相続手続きは行わないで、そのままになっています。大丈夫でしょうか。

相続税を納付する必要がない場合は、申告の必要はありませんので、お父様名義で放置し
ていても問題はありません。
しかし、遺産分割をせずに、お父様名義でそのままにしておくと、その不動産を売却すること
もできませんし、担保にしてお金を借りることも出来ません。
また、時間が経過すると、相続関係が複雑になり、手続きに時間がかかることになります。
そのような理由で、遺産分割は早い時期におこなって、相続による所有権移転を完了させる
ことをお勧めします。

相続人の範囲と遺産分割の方法

相続手続きが必要となりましたが、誰に相続する権利があるのか分かりません。遺言が存在する場合も併せて教えて下さい。

相続人には、大きく分けて、法定相続人と指定相続人があります。
法定相続人の範囲は民法で定められており、(1)子(2)親(3)兄弟姉妹の順序で優先と
なります。その場合、配偶者は常に最優先となります。
次に、指定相続人とは、遺言で指定された第三者であり、これは、法定相続人に優先して
適用されますが、法定相続人には、最低限保証される遺留分という規定があります。

ご相談の場合は、まず遺言の有無を確かめて、存在しない場合は、仮に配偶者とお子様が
いるとした場合には、配偶者が全体の2分の1。お子様達が残りの2分の1を頭割りすること
になります。
この場合、第1順位の子が存在するので、第2順位以下の親や兄弟姉妹は、法定相続人と
はなりません。

相続財産を分割するに際して、全員で話し合って、その割合を決めました。
必ずしも法定相続分通りではないのですが構いませんか。
また、遺言で故人が分割方法について定めている場合はどうなるでしょうか。


遺産分割の方法には、大きく分けて、指定分割・協議分割・家庭裁判所による分割があり
ます。
第一に指定分割は、遺言により分割方法を定めることで、最優先となります。
第二に協議分割は、共同相続人全員の合意により分割方法を定めることで、遺産分割協議
書を作成することでおこないます。
全員が合意すれば、遺言と異なる分割方法も可能であり、一部のものの取り分をゼロにする
ことも可能です。
第三には家庭裁判所による調停分割や審判分割があります。
これは、全員の合意が得られず、協議分割が整わないときに家庭裁判所に調停を申し立て
ることからおこなわれます。

このように、全員の合意が得られれば、法定相続分の通り分割する必要はありません。
なお、遺言がある場合には、その指定通りに分割する方法が優先されますが、法定相続人
には遺留分が保証されていますので、遺留分減殺請求を意思表示することで、最低限の
権利は保護されます。

相続税の計算のあらまし

相続税額の計算方法を教えて下さい。

各個人が納める相続税額の算出方法は、大きく分けて3つの段階に分けて計算します。

第1段階
相続財産の税務上の評価額を求めて、加算・減算をして、相続財産全体の課税価格を求め
ます。
更に、そこから基礎控除額( 5千万円 + 1千万円×法定相続人の数 )を差引いて、
課税遺産総額を求めます。
具体的な計算式は次のようになります。

課税価格={(本来の相続財産) + (みなし相続財産)} - {(非課税財産) + (債務・葬式費用)} + {3年以内生前贈与財産}
基礎控除額=5千万円 + 1千万円×法定相続人の数
課税遺産総額=課税価格 - 基礎控除額

ここで分かることは、課税価格が基礎控除額以下の場合は、相続税額はゼロになるという
点です。つまり、配偶者と子供2人の場合、法定相続人は3人となりますので、この場合、
基礎控除額は8千万円となります。

また、課税価格を小さくするには、相続財産を小さくして、債務を大きくすればよいことが
分かります。これが、相続税対策にもつながってくることになります。

第2段階
課税遺産総額を法定相続分通りに仮に分割したとして、相続税の総額を求めます。
具体的な計算式は次のようになります。

各法定相続人の税額(仮の税額)=(課税遺産総額×法定相続分×税率) - (控除額)
相続税の総額=各法定相続人の税額(仮)の合計

第3段階
全体として支払う相続税の総額が求まったら、実際に各相続人に分割される割合に従って、
それぞれの相続人が納めるべき税額を按分計算で求めます。
実際に納める納付額は、その税額に税額加算・税額控除をして求めます。
具体的な計算式は次のようになります。

各相続人の相続税額=相続税の総額×各人の実際に取得した遺産の課税価格/各人の課税価格の合計
各相続人の納付税額=各相続人の相続税額 + 税額加算 - 税額控除

相続人が配偶者と子供2人。課税価格の合計が2億8千万円。
実際の相続は子供2人だけに均等に相続するとします。納付税額を教えて下さい。

第1段階
課税価格=2億8千万円
基礎控除額=5千万円 + 1千万円×3人 =8千万円
課税遺産総額=2億8千万円 - 8千万円 =2億円

第2段階
配偶者の税額(仮)=2億円×1/2×30% - 700万円 =2,300万円
子供Aの税額(仮)=2億円×1/4×20% - 200万円 =800万円
子供Bの税額(仮)=800万円
相続税の総額=2,300万円 + 800万円 + 800万円 =3,900万円

第3段階
配偶者の税額=3,900万円×0/2億8千万円=0円
子供Aの税額=3,900万円×1億4千万円/2億8千万円=1,950万円
子供Bの税額=1,950万円

配偶者の納付額=0円
子供Aの納付額=1,950万円 - 0=1,950万円
子供Bの納付額=1,950万円 (税額の加算または控除がない場合)

相続対策について

そろそろ相続対策をしなくてはと考えていますが、具体的にはどういう対策を
すれば良いのでしょうか。

相続税・贈与税の対策は、実際に相続が発生してからでは十分な対策は取れません。
早くから対策を立てて、長期戦でのぞむのが良いと思われます。
しかし、相続対策を単に節税対策とのみ捉えると、多額な借金を背負ったりして、かえって
大変な結果を招くことも考えられます。
資金負担が少なくて、お互いに納得のいく資産の移転をすることが肝要です。

相続対策としては、大きく分けて3つの内容に分かれます。

第一は、相続人間の争いを未然に防止することです。(遺産分割対策)
その為には、親の生存中に子供に日頃から話しておくことが大切になります。
特定の子供に資産を多く分け与える場合には、他の子供に対して配慮することも必要と
なります。遺言書の活用は、争いを未然に防ぐのに有効です。

第二には、相続財産を合法的な範囲で小さくすることです。(節税対策)
まず、生前贈与を長期にわたって続けることは有効な手段です。
課税価格で年間200万円までの贈与は、税率10%ですので、基礎控除110万円を
考えると年間310万円(評価額で)までの贈与は、税率10%の納付で資産を移転でき
ます。

<計算式>
贈与税納付額=(310万円(贈与額) - 110万円(基礎控除))×10%
=200万円×10%
=20万円

これを長期にわたって続けて、申告することが大切です。
更に、配偶者の間で居住用不動産の贈与をした場合には、一定の要件を満たせば、
2,000万円の配偶者控除が認められます。(居住用不動産の配偶者控除)

また、不動産の活用も有効な手段となります。
不動産は時価よりも低く評価されるからです。
自己所有の宅地上に、借金をしてアパートを建てて不動産収入を得ることは、
オーソドックスな相続対策となります。
この場合、「小規模宅地等の評価減」「貸家建付地の評価減」「債務控除の活用」
「家屋の評価減」といった制度を利用することになり、相続資産の圧縮につながります。

第三には、納税資金の確保を考えておくことです。(納税資金対策)
具体的な対策としては、生命保険の活用があげられます。
これは、相続財産が不動産や同族会社株式など、現金化しにくい資産が大部分を占める
場合に必要となる対策です。

このように相続対策といっても、一つではなく、その方法はさまざまです。
無理のない互いに納得のいく計画が大切です。

不動産の評価減について

相続対策としての不動産の評価には、路線価を用いると聞きましたが、
路線価とは何ですか。

路線価とは、「不特定多数の者の通行の用に供されている道路」に付した土地の㎡単価で
あり、市街化区域の道路にはたいてい定められています。
国税庁が毎年1回発表します。近くの税務署かホームページで確認できます。
次に一例を挙げましょう。

この場合、道路の両側の土地は、「普通商業・併用住宅地区」で、1㎡あたり120千円で、
借地権割合がD=60%であることを表しています。

なお、借家権割合は表示されていませんが、関東地方で30%。関西地方で40%一律と
なっています。

なお、路線価は、公示価格の80%水準で設定されております。

借地権割合とは何ですか。

公示価格や路線価は、その土地の最有効な地積と地形をもった更地(標準角地といいます)
を想定しており、その利用区分は自用地となります。
自用地とは、地上権や賃借権が何も付いていない宅地で、自分の土地を自分で使う場合を
いいます。

それに対して、自分の土地の上に、借地権を持った借地人が建てた建物がある場合の宅地
(貸宅地といいます)の評価は、自分の思うように処分できないし利用できないという理由で、自用地より評価が下がるのは当然です。

また、自分の土地の上に自分が建物を建てたとしても、その建物を貸家として借家人に
貸している場合の宅地(貸家建付地といいます)の評価も、その建物を思うように処分
したり利用できないという意味で、ある程度、自用地より評価が下がるのも理解できると
思います。

このように貸宅地や貸家建付地が、自用地より評価が下がる原因となる考え方が、
借地権割合の理解につながります。

つまり、借地権割合とは、一つの宅地の評価額のうち、その土地の借地権者が有する割合
であり、一方、その土地の所有者が本来有する借地権を除いた割合は、底地権割合と
なります。

計算式で表します。

自用地評価額が1億円の土地があるとします。
借地権割合が、D=60%のとき、借地権評価額と貸宅地評価額はいくらになるでしょうか。

自用地評価額=1億円

借地権評価額=自用地評価額×借地権割合
=1億円×60%
=6千万円

貸宅地評価額=自用地評価額 - 借地権評価額=自用地評価額×底地権割合
=1億円 - 6千万円=1億円×40%
=4千万円

このように、借地権の付いている土地(貸宅地)の相続税評価額は大幅に下がることが
分かります。

借家権割合とは何ですか。

建物の相続税評価額は、固定資産税評価額を基にします。
その家屋が、自己の居住の用に供するとき、それを自用家屋といって、その評価額は
固定資産税評価額と一致します。
それに対して、その家屋を貸家として供している場合、その建物を思うように処分したり
利用できないという理由で、自用家屋より評価が下がるのは当然です。

自用家屋評価額のうち、借家人が有する権利の割合を借家権割合といい、関東地方では
一律30%となっています。

計算式で表します。

自用家屋評価額=固定資産税評価額×1

貸家評価額=固定資産税評価額×(1 - 借家権割合×賃貸割合)

例えば、固定資産税評価額1億円のアパートがあるとします。
借家権割合は30%で、全戸数が賃貸物件として貸し出されている場合、その貸家評価額
は、次のようになります。

貸家評価額=1億円×(1 - 30%×1)
=1億円×70%
=7千万円

このようにアパートを建てた場合の建物の相続税評価額は、固定資産税評価額の約70%
に低減します。

アパート経営は相続対策としては有効だと聞きましたが、具体的には、どのように
節税になるのですか。

一口にアパート経営といっても、建物を自分の資金で建てて運営するのか(自己建設方式)、建物は自分の資金で建設しても管理運営は開発業者に任せるのか(事業受託方式)、
自分の土地を開発業者に一定期間貸すだけで、建物の建設と管理運営は業者に任せるか
(定期借地権方式)、その他にも土地信託方式や等価交換方式などがありますが、ここでは
建物を自己資金で建てて、管理運営を自分で行なうかまたは業者に任せる自己建設方式
または事業受託方式の場合で考えます。

自分の土地の上に、自己所有のアパートを建てて、それを貸家として不動産収入を得ると
いうことですから、その宅地は貸家建付地となります。
土地も建物も自己所有ですが、その建物は、他人に貸しているということなので、その土地
の相続税評価額は、当然自用地より若干下がることになります。

計算式で表します。

貸家建付地=自用地評価額×(1 - 借地権割合×借家権割合)

例えば、自用地評価額1億円の宅地があるとします。
その宅地の借地権割合は70%、借家権割合は30%として、そこに自己名義のアパートを
建てたとすると、その宅地(貸家建付地)の相続税評価額は次のようになります。

貸家建付地評価額=1億円×(1 - 70%×30%)
=1億円×(1 - 21%)
=1億円×79%
=7,900万円

このように約20%の資産圧縮になります。

更に、建物の評価額については、上記項目で説明したように、アパートは貸家評価になり
ますので、上記項目の繰り返しになりますが、次のようになります。

固定資産税評価額1億円のアパートがあるとして、借家権割合は30%で、全戸数が賃貸
物件として貸し出されている場合、その貸家評価額は以下のとおりです。

貸家評価額=1億円×(1 - 30%×1)
=1億円×70%
=7千万円

このように30%の資産圧縮になります。

更に、建設費用を借入金でまかなった場合、その分、債務が増えますので、既に述べた
とおり、それだけ債務控除が大きくなり、課税遺産総額は圧縮されます。

また、小規模宅地等の評価減の制度を利用すれば、この場合、一定の条件を満たせば、
特定事業用宅地として、最大200㎡の面積まで、50%の評価減が可能となります。

このように、アパート経営は相続対策としては節税面では有効ですが、借入金の額が
適正であるか、入居率や家賃水準を長期にわたって維持できるか等、総合的に判断する
ことが大切となります。

賃貸管理運営方式について

アパート経営を考えています。自分の土地の上に自己名義のアパートを建てて、
管理運営はハウスメーカーに任せようと思いますが、入居率をこの先ずっと維持
できるか心配です。
その対策として、ハウスメーカーによる一括借上げ方式があると聞きましたが、
それはどういう方式でしょうか。他の方法と比べながら教えて下さい。





一括借上方式
一括借上げ方式は、上記に挙げた土地活用の5つの方式(自己建設方式・事業受託方式・
定期借地権方式・土地信託方式・等価交換方式)のうち、事業受託方式にあたり、ハウス
メーカーの関連会社である不動産業者が、アパートオーナーから全戸数を一括して借上げ、
それを入居者に転貸(サブリース)する形が一般的です。

オーナーの受取る家賃は、入居者が支払う家賃の85~90%ほどとなり、収益性では
落ちることになりますが、空室リスクがゼロになりますので、現在一番普及している管理運営
方式といえます。

これ以外の管理運営方式としては、次のようなものがあります。

自己管理方式
管理運営をアパートオーナー自らおこなう方式。
収益性は一番上がりますが、その分、オーナーの負担が大きくなります。
入居者は、自前であるいは業者を通じて、その都度、募集することになりますので、
空室リスクが発生します。

管理委託方式
管理運営を業者に任せる方式。
管理委託料をとられますが、オーナーの負担は大幅に軽減されます。
入居者は、自前であるいは業者を通じて、その都度、募集することになりますので、
空室リスクが発生します。